パパ活で性行為中等の動画・写真を撮影された際の対応を弁護士が解説

昨今、手軽にお金を得ることができる等の理由から、「パパ活」を行う方が増えています。そして、そこで知り合った男性と男女関係に発展することもあると思います。しかし、その際にスマホカメラなどで性行為や裸、自慰行為等の様子を撮影(隠し撮りの場合も)されてしまったり、また自ら相手にこれらの自撮り動画・写真を送ってしまったり、ビデオ通話時のこれらの様子を密かに画面録画・スクショされてしまったりして、相手にこれらの動画・写真データを所持されてしまうことが考えられます。こういったケースでは、関係を継続しているときはまだ良いのですが、相手との関係を解消したくなったときに、今後これらの動画・写真を拡散されないか不安で関係を解消できない、関係を解消したけれど今後拡散されないか不安で困っている、といった状況に陥ることがあります。

また、最悪の場合、その性的な動画・写真の拡散をネタに再度会うことや関係の継続などを強要されてしまったり、その動画・写真をネットに拡散されてしまったりすることも考えられます。

本ページではこのような状況にお困りの方に向けて、どのように対応したら良いかをご説明します。

対応策

①確認書の作成、締結

このような場合、相手との確認書の作成、締結が有効です。
確認書とは、簡単に言うと、双方の合意の下、拡散しないように相手に義務を負わせる書面になります。

確認書には、以下の事項などを定めておくとよいでしょう。

②強要された場合

性的な動画・写真の拡散をネタに再度会うことや関係の継続を要求することは、強要(未遂)罪(刑法223条)等に該当します。
この場合は、警察への相談が考えられます。

なお、そもそも、性行為時の様子を隠し撮りされていた場合、その撮影行為は性的姿態等撮影罪に該当します。
また、実際に性的な動画・写真をネット上に晒されてしまった場合、その晒す行為はリベンジポルノ防止法に違反する可能性があります。
そのため、これらの場合も警察への相談が考えられます。

弁護士に依頼するメリット

①確認書の作成、締結

一般の方がこういった問題に直面することは人生の中でも1回あるかないか、だと思います。つまり、一般の方が初めから、このような確認書を作成、締結するために必要な知識、ノウハウを持っていることはほとんどなく、自分で適切な確認書を作成、締結していくことは簡単なことではありません。

自分で確認書を作成する際に、解釈に疑義が生じる文言で規定してしまったり、法的に無効となり得る内容を定めてしまったりすると、折角時間をかけて作成しても、相手が確認書の内容に従わないと言ってくる可能性があります。

もちろん、ネット上には一般的な合意書のひな型が掲載されていることもありますので、それを参考に確認書を作成される方もいらっしゃると思います。しかし、ネット上に掲載されている合意書は必ずしもその法的有効性を確約しているものではありません。

また、確認書は個別事案に応じて作成する必要があります。特に、こういった事案への対応経験を踏まえてどのような文言や条項を確認書に入れておくかということはとても重要です。

弁護士は法律の専門家ですので確認書の作成に慣れており、後々蒸し返しをさせないように気を配った確認書を作ることができます。また、こういった事案への対応経験がある弁護士であれば、幅広い観点から確認書をより安心できる内容にすることができます。
したがって、今後の不安をできるだけ取り除いておくためには、こういった事案への対応経験のある弁護士に確認書の作成、締結交渉を依頼すると良いでしょう。

さらに、相手が確認書の流出を恐れる等の理由から確認書の締結を嫌がることもありますので、ご本人による交渉では何かと理由をつけて相手にされないことも考えられます。そこで、本気度を示す意味でも、法律の専門家である弁護士から相手に交渉してもらう、ということも一つの手段といえます。

加えて、一般の方は交渉に慣れていないため、日々の生活もある中で、相手と交渉することはかなり負担となってしまいます。
しかし、弁護士を介入させることで、相手との交渉の負担を軽減することができます。

その他にも、後々蒸し返させないためには、確認書を締結するにあたって、相手にその内容を正確に理解してもらってから締結する必要がありますが、その説明も一般の方にとってはそう簡単ではありません。
しかし、弁護士であれば、確認書の締結に慣れているので、この点をスムーズに行うことができます。

最後に、弁護士に交渉を依頼するメリットとして、交渉の際に、弁護士から相手に、法的観点に基づき、今後絶対に拡散をしないようにしっかりと釘をさすこともできます。これを一般の方がやろうとすると、交渉に慣れていないために、逆に相手から「脅迫だ」などと言われ、問題が複雑化してしまうケースもあります。

なお、弁護士に相手への交渉を依頼する場合、弁護士から相手に連絡する必要がありますので、そのために必要な範囲で相手の連絡先を把握されている必要があります。ご相談段階で相手の住所又は電話番号を把握していなくても弁護士から相手に連絡できる可能性はありますので、詳しくは弁護士に確認されると良いでしょう。

②強要された場合

性的な動画・写真の拡散をネタに再度会うことや関係の継続を要求することは、上述のとおり犯罪に該当しますので、警察に対応を求めていくことが考えられます。
しかし、一般の方からしたら、警察署に被害相談に行くことは初めてであることも多く、大変心細いことだと思います。
また、刑事手続きの流れを知らないと、相談前にどのような準備をしておいたら良いかも分からず、またこの先どのように進んでいくかも予測がつかないため、不安になると思います。
さらに、このようなケースでは、上述のとおり、性的姿態等撮影罪など特別な法律が関係してくる可能性もあり、法的な知識がない方にとって、犯罪の構成要件を踏まえて適切に警察に事実を伝えることは簡単なことではありません。
加えて、法的知識がなく慣れていないと、いざ警察に被害相談に行ったのに、警察が思ったように対応してくれない場合どうしたら良いかも分かりません。

しかし、警察への被害相談に関して経験豊富な弁護士であればスムーズに警察とやり取りをして被害を申告することができ、被害者の方の負担を軽減することができます。
また、警察は不合理な理由で事件として扱うことを嫌がることもありますので、最初から弁護士と一緒に警察に相談に行ったほうが、全体的に見て被害者の方の負担が少ないことも多いと思います。

いずれにしろ、このような事案は、センシティブな問題であり、かつ、自分でも負い目を感じ誰にも相談できずに一人で悩んでいる方も多いと思います。
また、このような問題に初めて遭遇して、どのように対応していったらよいのか悩み続けている方も多いと思います。
弁護士は守秘義務を負っているため、ご依頼いただいていることを含め外部に漏れることはありません。したがって、弁護士に安心して相談することができ、一人で悩み不安と戦い続けなければならないという状況を解消することができます。

まずは一人で悩まず、お早めにこのような事案に慣れている弁護士にご相談されることをお勧めします。

弁護士紹介
山本 健太(第二東京弁護士会所属)

リベンジポルノ等、スポーツ法務、SNS等での誹謗中傷問題、企業や著名人のメディア・SNSでの炎上(不祥事)問題などの事件を主に取り扱う。

特にインターネット上での法律トラブル対応を得意とし、様々なケースの事件を解決に導いた実績を持つ。